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氷華血鎖【鳴門】

第15章 一部・二年


「ぁん?」

『副作用消えるまで…今夜は休んだ方がいい』

「副作用?」



大まかな毒は抽出済みだけど、完全に滅菌は出来てないからその為の薬。アタシが調合する薬だから効果は絶大だけどその分、多少身体を休めなきゃいけないくらいの副作用はある。



「チッ…大蛇丸の野郎の事があるってのに」



そう言えば大蛇丸さんの事はこのペアに一任されてるんだっけ。



『まぁちょっとの休暇だと思って』

「そうだよな!うん!」

『動けるならご飯食べた後、秘湯に行くと良いよ。滋養強壮、疲労回復はトップクラスだから』

「………女神だ、うん!」

「…餓鬼め」





※※※





「すっごーい!デイダラ上手!」

「デイダラ器用だね!」

「まぁな…っておい!呼び捨てにすんじゃねぇ!」



朝から庭で騒ぎ立てる弟妹とデイダラ君。一晩寝たらすっかり回復したようで何よりだと思う。確かアタシより二つくらい歳下だったと思うけど暁に勧誘されるだけあって並大抵の忍では無い事が分かる。



『…にしても。打ち解けるの早いなぁ』

「餓鬼同士だからだろ」



面倒臭そうに言うと、のそのそと庭に出てデイダラ君を呼ぶサソリさん。



「いつまでも遊んでんじゃねぇ。置いて行くぞ」

「な…待ってくれよ旦那!」

『二人は学校行く支度しなさい』

「「はーい!」」



パタパタと部屋に支度しに戻る弟妹を微笑ましく見ながら洗濯物を干す。忍術を使えば楽だけど村娘村医者気取ってるから楽な事は出来ない。



「チヅルー!また来るぞ、うん!」

『え?あぁ…怪我や病で来ないでね』



この子は…とても人懐っこい子だ。暁のメンバーって皆大人だから、こーゆータイプはちょっと珍しいかも。あ…もう一人それっぽく取り繕ってる人も居たな。





※※※





チヅが村に戻って来て二週間くらいが経過した。
二年前からちょこちょこ村を留守にするチヅが何をしてるのかは分からない。マツやトシに聞いても"探し物をしてるみたい"としか言わず何を探してるのか詳細は聞かされてないらしい。ただそれはとても重要なんだと思う。



「チヅ~!」

『ミツさんこんにちわ』



じゃないとこんな親バカ気質のチヅが弟妹から離れる訳が無い。
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