• テキストサイズ

氷華血鎖【鳴門】

第12章 零部・一別


体力面も精神面も保てない…のは確実。かと言って弟妹を放ったらかしにして数日家を空ける訳にもいかない。生活面も食事面もまだまだあの子達で出来る訳が無い。



『どうしよう…』



手掛かりは期待して無いけど何かを思い出す切っ掛けがあるかも知れないから行きたい。でも…弟妹を置いては行けない。連れて行くにもあの子達には負荷がかかりすぎるし時間もかかる。



『何か良い方法、無いかなぁ…』





※※※





イタチが消えた。唐突に、急に、何の前触れも無く。双子は大層落ち込んでいた。でもチヅは何も変わらない。聞けば仕事だと言っていた。元々この村に滞在してたのも怪我の治療の為だからと、あっけからんとチヅは言った。何も変わらない、変わってないハズだった。



『お願いがあります』



夕飯時を少し過ぎてからチヅが俺の家に訪ねてきた。格好が違った。いつもの村娘みたいな格好ではなく漆黒の外套を羽織り腰には刀を携えて…一番初めに出会った時の格好だった。



『数日だけ…弟妹の事を見ててもらいたいんです。弟妹には既に話してあります』

「チヅ…「やめな、ミツ」お袋?」

「チヅ、お前さんが何者かは知らない。だけど私達を救い村を守ってくれているのは確かだ。アンタは私達からすると女神みたいなもんだ」

『おばさん…』

「マツとトシの事は任せな。気を付けて行って来るんだよ」

『有難う…御座います…!』



そう言って頭を下げると一瞬で姿が消える。
何処に行くかくらい…知りたかったなぁ…





※※※





一同「………」



暁の某アジトに集まったのはリーダーを始めとする小南、角都、サソリ、ゼツ、トビ、俺の七名。緊急招集がかかったのが報告に鴉を飛ばして数日後の一昨日くらい。恐らく大蛇丸の事だろう。



-カツッ-



「…来たか」

『すみません、遅くなりました』

「うわぁ!チヅルさんだぁ!」

「チヅも呼んだのか?」

「今回の招集はチヅも関係有るからな」



漆黒の外套の中に携えた刀。深く被ったフードから覗く般若のお面。出会った当初と同じ雰囲気。村での少女の様な雰囲気はそこには無かった。



「餓鬼はどうした?」

『ちゃんとお留守番させてる』
/ 222ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp