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氷華血鎖【鳴門】

第11章 零部・前兆と予感


『当たり前でしょ!?イタチさんの手裏剣術にはアタシ勝てないから武器使われたら怪我どころか死よ』



その言い方的にチヅはイタチには勝てないと言う事だろうか?そんなに強いのか…この男。



『じゃあお手柔らかに』



そう言った瞬間、二人の姿が消えた。
組手の手本を見せてくれるんじゃなかったのか…と思ったが双子は必死で目を凝らして視線がキョロキョロと動く。
待て待て待て。もしかして消えたんじゃなくて早過ぎて見えないって事か?双子の様子からして双子には辛うじて目で追えてるって感じか。



「待って待って、ちょっと待って!?」



-ピタッ-



と砂埃が舞いながら止まるとチヅの蹴りをイタチが止めてるところだった。本当に組手をしてたのか…本気過ぎる組手だ。



「すまん、早過ぎて俺には見えない」

『「………」』

「ぎりぎりみえる、けど…」

「もうすこしゆっくりがいい…」

『一応見える程度には動いたつもりだったんだけど…』

「「「えっ…」」」

「致し方あるまい」



ちょっと待てーい。見える程度にはって事はあの速さで本気じゃ無かったの?手ぇ抜いてたの?この二人、本当に人間なのか?





※※※





「づ…づがれだ…」



バタンと地面に転がるミツさんは全身泥だらけで乱れた呼吸を整えるのに必死。あの後、直々にイタチさんに組手を請うたミツさんはコテンパンにやられる。それでもイタチさんはかなり手を抜いてたんだけども。呼吸も乱れて無ければ汗一つかいてない。



「みつにぃばてばて」

「いたちにぃににはかてないね」

「う…うっせ…」



マツとトシはそんな状態のミツさんを揶揄う。
ふと空を見上げると少し陽が傾いてる。



『さてと』

一同「!」

『アタシはそろそろ夕飯の支度してくるわ。皆、程々にね』

「「「はーい」」」

『イタチさんも無理に付き合わなくて………もっ!?』



突如として襲ってくる激しい頭痛と眩暈。



「「ねぇね!?」」「チヅ!?」

「チヅル…!?」

『大丈夫、久し振りに身体を動かしたから少し疲れただけ』



今の…何…?
何かが一瞬だけ見えた…けど本当に一瞬過ぎて何が見えたのか全然分からなかった。こんな能力…アタシにも…この目にも無いハズ。
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