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氷華血鎖【鳴門】

第8章 零部・心


「「すきなひと?」」



二人は顔を見合せて首を傾げる。可愛いんだよなぁこの双子。よく言動がシンクロする。活発時期なハズなのに聞き分けが良くて賢い。色んな意味で将来有望だと思う。



「「わたし/ぼく」」

「あー…そうだよな、そうに決まってるよな。難しい事聞いてすまん」

「「?」」

「チヅは間違い無く二人の事、大事だな。でもそれは好きとかじゃなくて…愛してるんだと思うぞ」

「あい?」

「してる?」

「好きより…大好きより…もっと上」



そう教えてやると、へにゃりと顔をほころばせる。



「チヅの事、大切にするんだぞ」

「「うん!」」





※※※





村に戻る頃にはすっかりと陽が傾いていてイタチさんに先に家に戻ってもらう様にしてアタシは弟妹の子守りをしてくれてたミツさん家にお裾分けをしに行く。すっかり長話をしてしまって家に帰る頃には少しだけオレンジが残った黒と紫のグラデーションの空だった。



『ただいま』

「「ねぇねおかえりー!」」



玄関に入るなり、待ってましたと言わんばかりに飛びかかられる。あれ?少し重たくなったかな…と弟妹を抱えて居間に入ると美味しそうな匂い………え?美味しそうな匂い!?



『イタチさん!?』

「帰ったか。遅かったな」



と台所に立つのはイタチさん。既に何品かは机に並べられている。しかもまぁ主婦顔負けの出来ばえ。



『え嘘。すご…じゃなくて御免すぐ手伝う』



弟妹をおろしてエプロンを巻いて手を洗う。全く生活感の無い人だと思ってたんだけど、とんだ失礼だった。男性が作るにしてはハイレベル過ぎる。



「世話になりっぱなしは性に合わん」

『一応患者さんなんだから気にしなくて良いのに』





※※※





時刻は皆が寝静まる月が真上に来る時間。
想像通り呼び出しがかかり、話の内容は十蔵さんが亡くなったと言う話。そしてもう一人、角都さんの相棒も亡くなったらしい。ゼツさんが見せてくれた映像的には明らかに故意なんだけど、まぁそこは黙っておく。
二人もメンバーが居なくなって相棒を失った者同士でツーマンセルを組むかどうかの話が出たらイタチさんは角都さんを拒否。そして大蛇丸さんがイタチさんと組むとか言い出してサソリさんが怒って収集がつかなくなるので保留になった。
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