第1章 苦悩と別れ
一ヶ月前
「課長、頼まれていた書類できました」
課長「今回は大丈夫なんだろうね」
「………はい」
この時間が1番ドキドキする。
私はいつも失敗ばかりで、今までに何度も怒られてきた。
正直、今の仕事は向いていないのかもしれない。
でも……仕事を辞めて地元に帰れば、父さんが心配するだろう。
母さんが死んでから、男手ひとつで私を育ててくれた父さん。
私の就職が決まった時、自分のことの様に喜んでくれたっけ。
なのに、一年足らずで仕事辞めたいなんて………
課長「君、この書類はなんだ。これじゃあ小学生の作文だよ。君はいつになったら仕事を覚えるんだ。」
「すみません」
課長「まったく、君の先輩達は、一年たたずに仕事を覚えたというのに……」
やっぱり、また怒られた。
はぁ、本当に仕事辞めようかなぁ……
課長「君、話を聞いているのか?まったく仕事はできないわ、人の話は聞かないわ………君はここに何をしに来ているんだ。もう君は、今日は帰っていいよ」
「はい………」
私はお辞儀をすると、帰り支度をした。
先輩A「あなた、また課長を怒らせたの?」
先輩B「これで何回目?これだから田舎娘は………。ほんと何やらせてもダメな子なんだから」
先輩A「そんなんじゃ男にもモテないでしょうね」
先輩B「それがそうでもないわよ。私、この人が男と歩いてるの見たことあるもの」
先輩A「あらそうなの。こんなのを彼女にするなんて、その彼も余程の変わり者ね。あはははっ」
先輩B「せいぜい彼氏に捨てられないようにね。ははははっ」
どうして私が、そこまで言われなくちゃいけないの。
ひどいよ……