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君の声で

第16章 嘘、ほんと









「おじゃましてまーす」



ヒラヒラと私に手を振る彼。

なんなのこのタイミング…急にまた酔いが回ってきて、クラッと立ちくらみがする。



「なんだか久しぶりね~
 2人が揃うなんて!」

「そうそ、この間久しぶりに会ったら
 おばさんにも会いたくなっちゃって」



その言葉を聞いて、チラッとお母さんの顔を見ると物凄く、嬉しそうで。



「あ、主人公名前ちゃんに連絡したんだけどね」

「え、うそ」



慌てて携帯を取り出すと、彼からの着信が2件。



「あ、ごめんね、全然気づかなくて」



さっきまで一緒だった二宮さんに翻弄されて、私の頭はその人でいっぱいだったから携帯のこと存在なんて気にすることもなく。



ん?二宮さんでいっぱい…?
ち、違う違う!そういう意味じゃなくて…!

頭にはあの意地悪そうなニッコリした顔が浮かび、それをかき消すように頭をブンブンと横に振った。



「どうしたの」

「ううん!なんでも、ない!」



心配する彼にまた首を横に振る。



「でも主人公名前が遅くなるなんて
 珍しいわよねえ、彼氏なの?」



母親と言うものはどうしてこうカンがいいというか、タイミングが悪いというか



「え、主人公名前ちゃん彼氏いるの?」

「ええ!?」



私の驚きように、彼も目を大きくする。



「ごめん、聞いちゃまずかった?」






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