第15章 あの人との食事
「翔君からよく聞いてたんです。
二宮さんは自然体で、
周りを自分の空気にするのが
すごく上手だって。
まさに今それを実感、って感じです」
少し時間が経って、泡の無くなったビールに初めて口をつけた。
「んー!んまい!」
思わずおじさん臭いセリフが出たので、慌てて口を塞ぐ。
「んふふ、いいですよそんなの
気にしないで。
ていうか主人公名前ちゃん、
俺の方が年下よ?なんで敬語なの」
「あ、そうか、私より…、」
「2個下」
早々に彼が答える。
「に、2個…、
そうよねまだ20台半ばなんだね」
急に自分の年齢を自覚して愕然としてしまった。
確かに会社では中堅の位置で。同期の女性社員は続々と寿退社している中、見事に行き遅れてそう感満載の私。
後輩の男の子から 「主人公苗字さんはまだなんですか?」なんて本気で心配される。
うるさい、余計なお世話だ!