• テキストサイズ

君の声で

第15章 あの人との食事








「え、だから明日オフなの、俺」

「あーそうですよね、
 そんな日は飲みたくなるなるー
 …って、そうじゃなくて!」

「わお、ナイスノリツッコミ」



い、いや…違う、違うでしょ私…、なんか調子狂うな二宮さんって…。



「…あの大丈夫なんですか?
 こんな…2人きりでお食事なんて」



" 嵐の二宮和也 "がこんな…、こんな一般人と2人で食事だなんてことがマスコミに知られたら、絶対面白おかしく書かれるに決まってる。



「え、ああ、心配してくれてんの?
 優しいなあ、主人公名前ちゃんは」



そう言って肩肘ついた彼は気だるそうな目で私を見た。



「いえ、そういうんじゃ、なくって」



なんとなく、その何でも見透かされそうな視線が気まずくて目を逸らす。



「昔ありましたもんね翔さんも」



その声にまたバチッと視線が合って。

意味深な彼の言葉に戸惑う私、何も悪いことなんてしてないのに変な汗が出てきた。

異様な雰囲気が漂う中、彼がふっと笑って口を開く。



「…大丈夫、
 ここ俺の行きつけだから安全なの
 はい、ビールきたよー、
 はい、かんぱーい」



あまりにも淡々と自然な流れで生の入ったジョッキを渡され、カンっと口の部分を当てる。



「………、」



グラスに口をつけ「あーうまい」と言う彼を呆然と見つめるしか出来ない私は、頭の中で「なんというかまあ、凄い人だなあ 」と。



「ふふ…、」



漏れた笑いにグラスを置いた独特な雰囲気を持つ彼が



「え、何?」



と目を丸くした。



「いえ、これが
 翔くんの仕事仲間かあと思いまして」

「何、不満でした?」



と笑う彼にあることを思い出して笑ってしまう。



「あ!また笑ったー」



「すみません」と一言謝って、その思い出し笑いの原因を告げる。







/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp