第2章 幼馴染
「だあいじょうぶだって!」
振り替えって私に笑いかけ、次の瞬間にはそれが私の母へ向けられる。
「あ、おばさん、おじゃましました!
また今度ゆっくり!」
私を励まし、お母さんに会釈して。なんだか忙しそうな彼。
「翔君、うちはいつでもいいからね!
二人ともいってらっしゃい!」
「行ってきまーす」
「い、いってきま」
私が言い終わる前にまた腕を引っ張られ、勢いよく玄関を開けるとそこには見慣れない黒の大きな車。
すると突然、私の手を引いていた彼の肩が奇妙な笑い声と共に震え出す。
「ふふ、ふふふふ」
「しょ、しょう…くん…」
背中を向けた彼に話しかけると
「見て!主人公名前ちゃん!
とうとう車買っちゃいました」
クルッとこちらに顔を向けて両手を広げた。
「え!これ翔君の車?いつの間に!」
ニヤニヤしながら免許証を取り出し、私にそれを見せる。