第2章 幼馴染
「取れちゃった」
なんて子供っぽい顔して笑う。
「うそ!すごい!」
「主人公名前ちゃんに
一番に自慢したくてさぁ、
この時をいつかいつかと待ちわびてたの」
「ってことは…私、 初めての試験台?」
「あはははは! よし、乗って」
「え、あ、はい」
勢いよく返事したものの、お父さん以外が運転する車なんて初めてで。
ましてやタイヤの大きな車に乗るのも初めてで、正直どこに乗っていいのかわからなかった。
私が慌てふためいてるとそれに気づいた彼が「もお」と笑いながら運転席に行くのをやめ、こちらへ向かって来る。
「お手をどうぞ」
助手席のドアを開き微笑みながら右手を私に差し出す姿は、まるで別人のようで。
「…違う人みたい」
「俺だって出来るよ、これくらい」
彼にエスコートされ助手席に乗ると
「さあて、飛ばすから
しっかりシートベルトつけて
今度またゆっくりドライブ連れてくから
今日は許してね」
とそれが始めて見る角度で、なんだか違和感を覚える。
「よろしくお願いします」
「りょーかい」
これが大人になるってことなのかな、となんだか嬉しくなった。