第21章 大切だったのは
「ええ!?」
「…え!?」
彼が突然私から離れる。
「俺、フラれる流れじゃねえの!?」
「え、え!?」
「ニノは!?」
「に、二宮さん!?…あ!二宮さんなら
大切な人のとこに…」
「え!?大切な人!?何それ!
どういうこと!?話が見えない」
「あ、えっと、どうやら
好きな人と上手くいっているみたいで」
「ええ!?じゃあじゃあ三井君は!?」
「いや、ですからそれは何かの勘違いで…
三井君は友達だよ?」
「え!?じゃあずっと忘れられない人は!?」
「…!」
こ、この人…嘘でしょ
これだけ言ったのにわかんないの?
真剣な顔で私に迫る彼に「うう」と唸って降参した。
「あーもう…あなたです」