第21章 大切だったのは
「誰でもいいや」
彼の言ったその言葉は私に興味のない言葉で。やっぱり辛い、胸が痛い。
「主人公名前ちゃん、」
彼が私を見る。
わかってたけど、翔君にとって私はただの" 幼馴染 "だってわかっていたけど
「…誰でもいいやなんて
…言わないでっ…、」
耐え切れなくて、溢れる涙はこの8年間分、留まることを知らなくて。
「な、んで泣くの!どうしたの!」
慌てた彼が私を覗き込む表情は、昔の泣きそうな顔。
いつも私の背中を押してくれた、その顔。
その顔にバカな私は" 頑張れる "そう思って。
「しょうく、ん…っ私…ずっと」
思いが溢れだす。
涙が止まらない、怖い。
もうぐちゃぐちゃで、何言ってるかわからない。
私、私、
翔君のことが
ずっと