第3章 大丈夫
教室へ入ると生徒はまだ後ろを向いたり横を向いたり、楽しそうに話している。助かった、先生はまだ来てないみたい。
「主人公名前、こっち、こっち!」
奥の方の席から私を呼ぶ声が聞こえたが、すぐにはその声の姿を見つけられずついキョロキョロしてしまう。
ようやくその姿と目が合い名前を呼んだ。
「佳奈!」
遠くで手を振るのは、同じ学部の石神 佳奈。
入学してすぐ社交的な彼女に声をかけられ、それからはいつも一緒にいてくれるようになった。
早く彼女の元へ向かいたくて、呼ばれた声の方へと小走りを始めた、その時だった。