第18章 彼氏のフリして
翔ちゃんがガバっとこちらを向く。
「え!な、んで」
まあ…あなたの気持ちを知るために。
「あ、ごめんね、
先に言えば良かったんだけど
急に決まっちゃって。まずかった?」
着替えるフリしながら翔ちゃん様子を伺う。
「いや、まずくないよ、うん、全然!
そっか、あー…2人、だよね?」
「うん、2人。
翔ちゃんも呼べばよかったね」
「いや、…そっかそっか、
あ、聞いた?彼氏、出来たって」
「あ、それ、たぶん私です」
何も聞こえなくなった背後。気になって振り返ると、目を大きくする彼。
「え、…どういうこと!?なんで!」
さっきまで眺めていた新聞には目もくれず。
「んふふ、そんなに驚かなくても。
良かった、翔ちゃんには
言っておかないとって思ってたから」