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君の声で

第18章 彼氏のフリして







2人きりで飯を食った日、彼女は「幼馴染のままがいい」ハッキリそう言った。

やっぱりこういう仕事してる相手だと恋愛なんて上手くいかないのか、と主人公名前ちゃんが自分と重なって見えて、いてもたってもいられなくなった私。





おせっかいだとは知りつつ、彼女に近づいてどうにか諦めないようにと、無理やりに近い方法で関係を繋げた。

俺が近くにいれば、嫌でも翔ちゃんとの関係は断ち切れないワケで、嫌でも忘れられないわけで…







『 和君 』






シャツのボタンを外しながらまた思い出す君の俺を呼ぶ声、あれから2ヶ月も経つっていうのに。

俺はダメになったから。「主人公名前ちゃんには」と彼女に希望をかけたのはきっと、自分も心のどこかで「諦めたくない」その気持ちがあったから。

これは思うに、主人公名前ちゃんと翔ちゃんのためじゃなくて自分のため。

モヤモヤする頭の中、少し投げやりになって「えーい、もう言っちゃえ」と。



「あ、そういえば翔ちゃん」



いかにも、今思い出しました風に装ってみる。




「ん?」

「この間さ、主人公名前ちゃんと飯食った」






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