第17章 始まった関係
「…ちゃん、主人公名前、ちゃん」
「…、う、ん」
ぼーっとする頭に薄く目を開けると、明かりが刺激してすぐに閉じた。
「ほら、起きて」
ユサユサと私を揺らすその人の姿に驚いて目が覚める。
「…うえ!?」
「なによそれ、可愛くない驚き方」
笑って私の傍を離れた彼はなんだかすっきりした顔をしていた。
「え、あ、ごめん、私寝て」
「うん、私もさっき起きた」
「あ、そう、なんだ…」
「一緒に寝たなら
やることやればよかったね」
「え!?」
「あはは、うそうそー」
心臓に悪い冗談をつかないでください。
「主人公名前ちゃん仕事間に合う?」
時計を見ると時刻は7時過ぎ。
「え、あ、やばっ」
急いで立ち上がり、荷物をまとめて家を出ようとすると
「あ、待って、送るから」
と鍵を取って一緒に家を出る。
こうやって一緒にいると、二宮さんをテレビの人だと忘れてしまうから、この人は恐ろしい。