第17章 始まった関係
二宮さんの家は凄くサッパリして、なんだかそれらしかった。
食材を買って料理を作って、2人で食べて。
「立派なもの作れるのね」
「もう28だしね」
私の手料理を目の前にして感心する彼が「頂きます」と手を合わせた。
「翔ちゃんに作ったことは?」
二宮さんはこうやって、サラリと彼の話を放り込んでくる。
本当に忘れさせる気があるのだろうか、と。
今じゃ彼の話題は2人の共通で、出てこない日がないくらい。
「うーん、いや、手料理はないかな?
バレンタインのチョコくらい」
「まじ?今度自慢しよ」
口をモグモグさせる二宮さんにまた、私達の関係を伝えているのだろうか、と疑問が浮かんだが、それは口にするまでもなく食事に集中する私に「ねえ」と呼び掛ける。
「翔ちゃんに言った?俺らのこと」