• テキストサイズ

君の声で

第17章 始まった関係









二宮さんの家は凄くサッパリして、なんだかそれらしかった。

食材を買って料理を作って、2人で食べて。




「立派なもの作れるのね」

「もう28だしね」


私の手料理を目の前にして感心する彼が「頂きます」と手を合わせた。



「翔ちゃんに作ったことは?」



二宮さんはこうやって、サラリと彼の話を放り込んでくる。

本当に忘れさせる気があるのだろうか、と。

今じゃ彼の話題は2人の共通で、出てこない日がないくらい。



「うーん、いや、手料理はないかな?
 バレンタインのチョコくらい」

「まじ?今度自慢しよ」



口をモグモグさせる二宮さんにまた、私達の関係を伝えているのだろうか、と疑問が浮かんだが、それは口にするまでもなく食事に集中する私に「ねえ」と呼び掛ける。



「翔ちゃんに言った?俺らのこと」





/ 134ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp