第25章 なぞなぞ
-Mside-
「ねぇねぇ、なぞなぞしよう!」
休み時間、雅紀が突然そんなことを言い出した。
相変わらず突拍子がない。
「は?なぞなぞ?」
「そう!頭の中に思い浮かべたものを当てるゲーム!やろうよ!」
「それ、なぞなぞなの?」
「どうやるの?」
ニノと智はやいのやいの言ってるけど、やる気はあるらしい。
この2人がやると言うなら、もれなく全員参加は決定だろう。
「じゃあ、例題出すね!」
案の定、俺たちの意見は聞かれることなくゲームが始まっていく。
「えっとー、それは赤いです」
「赤ー?」
「赤くて丸いです」
「りんご!」
「正解!」
「簡単すぎー!」
「だって例題だもん!」
ギャーギャー言ってるけど楽しそうだな。
智のこんな子どもみたいな可愛い笑顔を見れるなら、なぞなぞも悪くない。
翔もデレデレとニノを見てるし、風間は微笑ましそうに雅紀を見守ってる。
「じゃあ次は本番ね!うーんとね、それは俺たちが毎日見るものです」
「えー?何だろ?」
「それはどこにあるの?」
問題を出す雅紀に、ニノが首を傾げながら質問する。
「教室」
「分かった!黒板!」
「正解!え?なんで分かったの?」
「ニノ早いよー!」
雅紀が答えるとサクッとニノが正解してしまった。
あまりの早さに智が膨れる。
「だって雅紀、教室って言いながらチラチラ黒板見てたもん。説明なんて聞かなくても答え分かっちゃったよ」
なるほど。
やっぱりニノはよく見てるな。
「えー!それじゃなぞなぞじゃないじゃん!」
「雅紀が問題出すの下手なんでしょ!」
雅紀がむくれるとニノはケラケラ笑った。