第24章 影あそび
-Sside-
足元を見たら、俺とカズの影が手を繋いでるように見えて。
もちろん偶然なんだろうけど、嬉しくてテンションが上がった。
影だろうが何だろうが、好きな子と手を繋げれば嬉しいに決まってる。
あんまり嬉しかったから、すぐカズにも教えてあげたら、ちょっと恥ずかしそうな顔をしてじっと地面を見つめてて。
その照れたような横顔が可愛くて、思わず見惚れてしまった。
ボーッとカズを見つめていたら、何だか後ろが騒がしい。
「いぬ!」
「おお、懐かしい!」
「うさぎ!」
「なんだそれ!?どうやってんの?」
振り返ったら、潤と智くんが何故か大盛り上がりで影絵を作って遊んでいた。
「ふふ、楽しそうだね」
同じように振り向いて確認したカズはニコニコ笑って2人を見ていて。
その笑顔があまりにも可愛かったから、我慢できなくなってしまった。
そっとカズの手を握る。
「えっ?なに?」
突然だったからか、カズはびっくりしてたけど
「影だけズルいと思ってたんだ。俺もカズと手を繋ぎたい」
「………っ///」
思ってることを素直に伝えたら、真っ赤になってしまった。
「影にまでヤキモチ妬いてんのかよ…」
「影だって翔くんの一部なのにねぇ…」
後ろから呆れ声が聞こえて来る。
さっきまでキャッキャと影絵で遊んでたくせに、聞いてたのか。
「カズ…やだ?」
後ろの2人はどうでもいいけど、何も言ってくれないカズにちょっと不安になる。
「ううん、やじゃない…俺も翔ちゃんと手繋ぎたいって思ってた///」
でも、カズは真っ赤になりながらも、可愛い顔でそんな嬉しいことを言ってくれて。
嬉しすぎて、顔がにやけてくのが自分で分かった。