第24章 影あそび
-Oside-
「なるほどねぇ」
潤が妙に感心してるのが面白い。
目の前のニノと翔くんは全然触れ合ってないんだけど。
俺の指の先の2人は手を繋いでる。
「影絵的な?」
「ふふっ、可愛いよね」
そう、手を繋いでるのは影。
ニノがこっそり手の位置を調整して、影で手を繋いでるんだ。
「こんなまどろっこしいことしてないで、直接繋ぎゃいいのに」
感心し終わった潤が今度は苦笑する。
言ってることは分かる。
実際俺もニノの行為に気付いた時は、可愛いことしてんなってほっこりして。
でも影じゃなくて本物の手を繋げばいいのにって思って。
ニノに聞いたんだよ。
そしたらさ…
「理由もないのに繋げないんだって。恥ずかしくて」
ニノは拗ねた顔してそう言ってた。
理由もなく手を繋ぎたいなんて恥ずかしいでしょって、ほっぺたピンクにして。
「はぁ?あんだけ四六時中イチャついてんのに今さら?」
「今さらだよねぇ」
「こっそり影で手を繋いでて、それがうっかりバレた時のが恥ずかしくね?」
………確かに。
「でもさ、気付いたら翔くん喜びそうだよね」
「あいつ鈍いから気付かなそうだけどな」
………確かに(笑)
笑ってたら、急に潤がいたずらっ子みたいな顔になった。
「俺たちもやってみるか?」
「は?何を?」
「ほら!手出して!そう!そのまま!」
腕を引っ張られ、そのまま動かすなと言われ。
何がしたいのか分かったから素直に従う。
「出来た!」
地面の上では仲良く手を繋いでいる潤と俺。
やたら満足げな潤が可愛い。
そんで、ちょっとニノの気持ちが分かったかも。
例え影だけだとしても好きな人と手を繋げるのって嬉しいね。