第24章 影あそび

－Mside－


あ、まただ…


俺には最近ちょっと気になってることがある。

目の前を翔とニノが歩いてて。

相変わらずイチャイチャラブラブしてる。
それは安定の通常運転だからどうでもいいんだけど。

時々ニノの手が不自然な動きをするんだよな。


ほら！今も！


別に翔に触れようとしてるわけでもなく。

不自然な位置で中途半端に止まってるニノの手。


あれは一体なんなんだろう？


すごく気になるけど、楽しそうに喋ってるのを遮ってまで聞くことでもないし。

毎回あとで聞こうと思うんだけど、後回しにすると忘れちゃうんだよな。

まぁ気になるって言っても、所詮その程度ってことだ。

で、また見て思い出して気になって…の繰り返し。

「なぁ、智」

とりあえず智に聞いてみようと隣に視線を移す。

智は微笑ましそうにニノを見ていた。

「んー？なに？」
「あれ、なんだと思う？」
「は？あれって何？」

キョトンと首を傾げる智に分かるようにニノの手を指差す。

「あれ！ニノの手。なんか最近よく不思議な動きしてんだよな」
「ああ、あれね」

質問を理解した智は、楽しそうに笑った。

この反応は答えを知ってるな。

「知ってんなら教えてよ。あれは何をしてんの？」
「ふふっ」

智は笑いながら地面を指差した。

「………？？」

全く意味が分からないが、とりあえず智の指す方を見て。

「ああ！なるほどねぇ」

答えが分かった。