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キミのとなりで【気象系BL】

第23章 雪あそび



「ねーねー!雪合戦しよ!」

休み時間になったら雅紀が元気いっぱいに誘いに来た。

「寒いからやだ!」

カズは即答で断ったのに雅紀は全く気にしない。

「いいから、いいから」
「よくないよ!ちょっと…」

渋るカズを引きずるようにして連れていこうとする。

これはこのまま連れ出されるパターンだと、慌てて雅紀を止める。

「待って待って!そのままじゃ風邪引くから」
「えっ?翔ちゃん?」

戸惑ってるカズに急いでコートを着せて、マフラーも巻いて、ついでに俺の手袋をはめさせる。

「はい、いいよ」
「オッケー!行くよー!」
「えー…やだー…寒いよー…」

準備が出来たのを確認すると、雅紀が今度こそカズを引きずって教室を飛び出していった。

何やらぶちぶち言ってるカズの声がどんどん遠ざかって行く。

でもカズも本当に嫌なら暴れてでも逃げるだろうから、本気で嫌がってるわけではないんだと思う。

「翔お母さんみたいだったな」

からかうような潤の言葉は無視して、俺も急いでコートを着込む。

見れば潤も智くんも既にコートを着ていた。

「俺たちも行こう」

カズたちの後を追って校庭に出ると、すでに雪遊びしている生徒が大勢いる。

カズと雅紀も雪玉を作ってはぶつけ合って遊んでいた。

雅紀の玉を身軽に避けて逆にぶつけて。
雪まみれの雅紀を指差して無邪気に笑う。

意外と負けず嫌いなんだから。

あんなに渋っていたのに、もう夢中になってる。

カズの可愛い笑顔に引き寄せられるように、どんどん雪合戦の人数が増えていって。

もう人が多過ぎて誰が味方なのか敵なのかも分からない。

俺は巻き込まれないように少し離れた場所から、カズに対して良からぬ動きをするやつが居ないか見守ることにした。

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