第21章 調理実習
エプロン作ってる時も思ったけど、翔ちゃんは俺が思ってた以上に不器用さんみたいで。
見ててハラハラするし、本人もすごく大変そうなんだけど。
苦手なことを一生懸命頑張る翔ちゃんって、すごく可愛くて愛おしくなるんだよね。
いつものキリッとしてカッコいい翔ちゃんとのギャップにきゅんとする。
家庭科なんて俺だって別に得意なわけじゃないけど、少しでも翔ちゃんの助けになれたら嬉しいし。
単純に一緒に何かを作るのって楽しい。
「いただきまーす」
みんなで手を合わせて食べ始める。
「うまい!」
「おいしいね!」
翔ちゃんはいつも一口がちょっと多くて、ほっぺたがパンパンになっちゃうんだけど、それも可愛い。
「潤くん、カレー美味しいよ!」
「別にレシピ通りなんだから誰が作っても同じだろ」
潤くんはクールにそう言いつつ、どこか嬉しそうで。
智とこっそり笑ってたら
「カズっ、サラダは?美味しい?」
翔ちゃんが一生懸命聞いてくる。
「すっごく美味しいよ!レタスも食べやすい大きさだし、翔ちゃんが作ってくれたドレッシングも美味しい♡」
翔ちゃんも褒めてほしかったのかな?
美味しいって言ったらものすごく嬉しそうな顔になった。
「ドレッシングって混ぜただけじゃん」
「しっ」
向かいでそんなやり取りしてたけど、翔ちゃんには聞こえなかったみたい。
ご機嫌でカレーを食べてる。
パンパンなほっぺがリスみたいで可愛い♪
「みんなで作ってみんなで食べると楽しいし美味しいね♪」
「ねー♪」
智がニコニコ頷いてくれて。
翔ちゃんも潤くんも笑顔で。
プリンはちょっとすが入っちゃってたけど、やっぱりすごく美味しかった。
end