第20章 想い届く
ねぇ、カズ…
俺、入学式にカズに一目惚れして…
自分でも驚いたんだ
一目惚れしたことにも、相手が男ってことにも
でも自分の気持ちを否定出来ないくらい、強く強くカズに惹かれた
最初は話し掛けることすら出来なかったんだよ?
今となっては信じられないよね
丸山の一件で友だちになれたけど…
今思い返しても、あの時あの場所に居れたのは運命だったんじゃないかと思う
あの日から毎日一緒に居たね
隣にカズがいるだけで、毎日がキラキラしてて、何でもないようなこともすごく楽しかった
一緒にたくさんの時間を過ごして
たくさんの思い出を積み重ねながら、少しずつ距離を縮めて
一番の友だちになって
それでもこの想いは叶わないって…
どんなに近付いても、友だち以上にはなれないって…そう思ってた
それなのに、今、カズが恋人として俺の腕の中にいる
あの絶望の先にこんな幸せが待っていたなんて…奇跡だとしか思えない
潤や智くんや雅紀、みんなが繋いでくれた奇跡…
ここまでしてくれる友だちがいる俺たちは本当に幸せだね