第17章 誕生祝い to SHO
ーSsideー
俺は悩んでいた。
何に悩んでいるかと言えば…
「翔ちゃん♡誕生日に行きたい場所決まった?」
これ。
誕生日のこと。
カズから始まって、潤、智くん、雅紀…最後が俺。
全部5人で祝ってきたから、当然のように俺の誕生日もみんなで祝ってくれるようで。
きっとそうなるだろうと予想はしていたから、ずっと行きたい場所を考えているんだけど、これがなかなか決められないでいた。
夢の国、花火大会、水族館、動物園…ときて、次は?
俺、優柔不断な方ではないはずなんだけどな。
正直、俺はカズが一緒なら場所なんてどこでも良い。
希望を言っていいなら、雅紀の時みたいに誕生日特典でカズと1日中腕を組んで過ごしたい!
叶ったら最高に幸せだろうな…なんて思ってる。
でもそれは場所は関係ないし。
ニコニコ聞いてくれるカズには悪いけど
「ごめん、まだ迷ってて…」
「そっか、急かしてごめんね。ゆっくり考えてね」
正直に伝えて謝ればカズはそう言ってくれる。
でも実は毎日のように同じ会話を繰り返していて。
たぶんカズはすごく楽しみにしてくれてるんだろう。
誕生日祝いって名目だけど、要は5人で遊びに行くってことだから、どうせならみんなが…カズが楽しめる所がいいと思って
「カズはどこに行きたい?」
「翔ちゃんが行きたいところに行きたい♡」
試しに聞いてみたら、可愛い笑顔でそんな答えが帰ってきた。
嬉しいけど、決められないから聞いたのに…と心の中でこっそり肩を落とした。