第15章 誕生祝い to MASAKI
「くふふ♡」
「カズ?」
見ててこそばゆくなるような2人にニヤニヤ笑いが止まらない。
そんな俺を不思議そうに見た翔ちゃんも、俺の視線を辿ると納得したみたいに笑った。
「潤のやつなんて顔してんだか」
揶揄うみたいな口ぶりだけど、すごく優しい顔してる。
うん、分かるよ。
きっと俺も同じような顔してるはず。
大好きな人たちが幸せそうだと、こっちまで嬉しくなっちゃうよね。
よく見れば智たちだけじゃなくて、周りにいる人たちもみんな笑顔で楽しそうで。
街全体が幸せな空気に包まれてる気がする。
これもクリスマスだからなのかな。
でも俺だってここにいる誰にも負けないくらい幸せだって思うけど…なんて///
今までクリスマスなんて俺にとっては特別でもなんでもなくて。
今日だって雅紀の誕生日としか思ってなかったし。
みんなで雅紀を楽しく祝って、十分充実した1日だった。
でも思いがけずクリスマスらしい時間を過ごせることになって。
翔ちゃんと手を繋いで腕も組んで。
首にはおそろいのマフラーを巻いて。
キラキラのイルミネーションを一緒に見上げて、綺麗だねなんて笑い合って。
ちょっとどころじゃなく味わっちゃってる。
まるで本当の恋人同士みたいって思っちゃうようなデート気分。
クリスマスがこんなに楽しくて幸せな日なんだって初めて知った。
翔ちゃんを好きになってからの俺は幸せな発見をたくさんしてるよ。
「来年も一緒にイルミネーション見たいね」
「うん♡」
イルミネーションの下で小指を絡めて約束する。
キラキラな笑顔も来年の約束も俺にとってはプレゼントだよ。
「ありがとう、翔ちゃん」
翔ちゃんの腕につかまる手にぎゅうっと力を込めて。
幸せな気持ちでいつまでも綺麗な光を見つめていた。