第14章 誕生祝い to SATOSHI
ーOsideー
「ねーねー!もうすぐ智の誕生日でしょ?またみんなでどっか行こ♡」
文化祭も体育祭も終わった11月半ば。
ニノがニコニコしながらそんなことを言い出した。
ニノの誕生日も潤の誕生日もみんなで祝ったから恒例化しようとしてんのかな。
「智くん誕生日なの?いつ?」
「26日だよ」
「そうなんだ。ちょうどその前に三連休があるね」
さっと翔くんがカレンダーを確認する。
「智どこ行きたい?」
ニノは目をキラキラさせて聞いてくれるけど。
「三連休なんてどこも混んでるじゃん…そんな中出掛けるとかめんどくさいからいいよ…」
どう考えてもどこも混んでるって分かってるのに、わざわざ出掛けるなんて億劫だし。
それに、なんか改めて誕生日祝われるとかちょっと恥ずかしい。
そういえば、潤も最初照れて断ってたな。
今になってあの時の潤の気持ちが分かったかも。
でもニノは納得してくれない。
「やだ!」
ぶぅっとほっぺたを膨らませて怒ってる。
「メンドクサイとか言わないで!みんなで智の誕生日をお祝いしたいの!」
ニノなんて俺以上に人混み嫌いなはずなのに。
そんな可愛いことを言ってくれるから気持ちがちょっと前向きになってくる。
「俺はみんなにお祝いしてもらってすごく嬉しかったんだもん…だからお返ししたいんだもん…」
あー、ダメだ…
うるうるの瞳でこんな可愛いこと言われちゃったら、もう断れないよ。