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キミのとなりで【気象系BL】

第13章 体育祭



ところで俺はなんで呼ばれたんだ?

翔たちのやり取りを聞きながら、内心首を傾げていたら。

「で、大野なんだけど」

くるっと滝沢がこちらを向いた。

「智…?」

なんで智のことを俺に聞くんだ?

「大野って運動神経いいからさ。選抜リレー以外にも入れたいんだけど、いい?」

首を傾げる俺を全く気にせず滝沢が続けるけど。

「そんなの俺が決めることじゃないだろ」

本人に聞けばいいじゃん。

「ああ、そう?」

俺の答えを聞いた滝沢は何故かニヤリと笑った。

「じゃあ、大野は騎馬戦に…」
「いや、待て!それはちょっと…」

騎馬戦なんて危ないだろ。
落ちて怪我でもしたらどうするんだ!

「じゃあ棒倒しか…」
「それもちょっと…」

あんな戦場みたいなところに放り込めるか。
智は華奢だから押し潰されちまう。
それに偶然を装って触ろうとする痴漢野郎だっているかもしれない。

ダメだ!ダメダメ!絶対ダメ!

「ほら、やっぱりダメなんじゃん」

反射的に止めてしまった俺を見て、滝沢がクククッと笑い出した。

「翔と一緒。だから大野本人じゃなくて潤に聞いたんだよ」

心底おかしいと言わんばかりに笑われて恥ずかしくなる。

確かに俺の考えてることは、さっき翔が言ってたことと全く同じだ。

翔と一緒かぁ…

軽く凹んで何も言い返せない俺に

「ま、最初から潤もそう言うだろうと思ってたからね。大野は選抜リレーだけでいいよ。その分、潤も出場種目増やすからな」

滝沢は笑いを噛み殺しながら決定事項として宣言した。

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