第2章 友だち
自分の席に荷物を置いていると
「おはよ、相葉ちゃん」
この1ヶ月で仲良くなった、風ぽんこと風間くんが近付いてきた。
「おはよー、風ぽん」
風ぽんはすごく面倒見がよくて、外部生の俺のことを気に掛けてくれて。
部活も一緒だったからすぐ仲良くなれた。
「相葉ちゃん、1組の二宮くんと仲良いよね?」
風ぽんから突然ニノの名前が出る。
「うん!小学校から一緒だもん」
なんで改めてそんなこと聞くんだろ?
「あのさ、二宮くんが櫻井くんと付き合い始めたってすごい勢いで噂が流れてるんだ。本当なのかなって思って。相葉ちゃん何か聞いてる?」
「······は?」
とっさに聞かれた意味が理解出来ない。
サクライくん?
俺でも名前は聞いたことある。
校内の有名人だから。
でもニノの口から聞いたことはない。
付き合い始めた?何それ?
「ニノ男だけど」
ニノが男と付き合うとか絶対ないでしょ。
「そんなの知ってるよ!でもこないだも言ったでしょ。二宮くんたち可愛いから狙ってるやついるよって」
確かに···そう教えてくれたのは風ぽんだった。
ニノと智にも伝えたけど、よくわかんないって顔してたな。
どんなに狙われてたって、ニノにその気がなきゃ付き合うとかならないよね。
「まさかあの櫻井くんが···って思うけど」
櫻井くんは王子さまって呼ばれてて。
当然彼女いるんじゃないの?
「ニノからそんなの聞いたことないよ。なんでそんな話になってるの?」
「昨日の放課後に、駅の手前にある公園で二人でいるの見たやつがいるみたい」
思わず力が抜ける。
「そんなのクラスメイトだったら二人で帰ったり喋ったりくらい普通にするでしょ」
それだけで付き合ってるとかナイでしょ。
「それはそうなんだけどさ···それだけじゃなくて。今朝もさぁ、2人の空気って言うか···」
うーん、うまく言えないって難しい顔して
「学校来てから1組見た?」
そう聞かれるけど、智とは入口で別れたから見ていない。
首を横に振ると、見た方が早いねって言って風ぽんが俺の腕を引っぱった。