第11章 誕生祝い to JUN

「なんだよ！」

ニヤニヤするばっかで何も言わない翔につい突っかかってしまう。

「いやー、お前が手作り弁当ねぇ···って思っただけ」
「ムカつく！ニヤニヤすんな！」

腕に軽くパンチすると、翔は笑った。

「あはは！でもさ、俺、潤に感謝してるんだ」
「は？感謝？」

俺、翔になんかしたか？

「お前の弁当の話をきっかけにさ、なんとカズも弁当作って来てくれたんだよ」

ああ、ニノが保冷バッグみたいの持ってると思ったら弁当だったのか。

「しかもまた作ってきてくれるって」
「へぇ、良かったじゃん」

翔がデレデレと笑み崩れていく。
よっぽど嬉しかったんだな。

「ニノの弁当うまいの？」
「めっっっちゃくちゃうまい！！」

即答する翔が面白い。

翔にとっては、ニノが作ったってだけで何でもうまく感じるんだろうけど。

調理実習で見た感じだと、ニノ料理出来そうだったからな。

きっと本当にうまかったんだろう。

「可愛い上に料理上手で惚れ直したって？」
「惚れっ···///いや、まぁ、うん···そうなんだけど///」

照れながらも否定はしない。

ニノもだけど、こうやって相手のこと好きだって気持ちを素直に出せるのはいいことだよな。

お互いに伝わってねーけど。

この態度でなんで分かんないのかね？と、ニノを見たら

「ニノ可愛い、大好き♡」
「智も可愛いよ、大好き♡」

何故か智とぎゅうぎゅうくっついて告白しあってた。

あんなにデレてた翔の空気がピリッと変わる。

一応笑顔を作ってるけど嫉妬丸出しじゃん。

ニノは翔のヤキモチに全く気付かず、智に抱きついたままで。

察したらしい智がそっと離れた。