第11章 誕生祝い to JUN
ニノがちらりと潤を見る。
潤は何やら翔くんと話してる。
潤と翔くんも会うの久しぶりだもんね。
お互いの旅先での話でもしてるのかな。
2人ともこちらに意識が向いてないのを確認したニノは、顔を寄せてひそひそ小さな声で聞いてきた。
「プレゼントの絵は描いてるの?」
「家で描いてる。潤も毎日学校来るみたいだから、ここでは描かないよ」
「えー!見たかったのにな···残念!」
「ってか、潤へのプレゼントだから潤にしか見せないし」
「けちー!でも···」
ニノは一瞬口を尖らせたが
「ふふ♡潤くんへの愛を感じる♡」
すぐニヤニヤ笑顔になった。
「またニヤニヤしてる」
「だって智が可愛くて幸せそうな顔してるんだもん」
「すぐバカにするんだから」
ちょっと怒ったフリをしたら、ニノもほっぺを膨らませる。
「ちがうもん!バカになんてしてないもん!智には幸せになってほしいんだもん!だから智が幸せそうな顔してると俺も嬉しいんだもん!」
なんて可愛いことを言うんだ!
こんなの勝てない。
「くそー!可愛い!」
「きゃー♡」
嬉しくなってニノを抱き締めると、ニノは悲鳴をあげながら抱き締め返してくれる。
「ニノ可愛い、大好き♡」
「智も可愛いよ、大好き♡」
くっついたままクスクス笑い合ってたら
「お前らさぁ···」
いつの間にか潤たちに見られてた。
潤はちょっと呆れ顔。
「本当に仲良いね」
翔くんは穏やかに笑ってるけど、ちらりと嫉妬が覗いてる。
「うん♡仲良しなの♡」
「そっか」
ニノは屈託のない笑顔で答えるけど、翔くんの声が哀愁を帯びてきて可哀想になってきたから、ニノからそっと体を離した。