第9章 夏休み3
ーOsideー
「智ー!潤くん!明日プール行こ♪」
美術室に入って来るなりご機嫌なニノからお誘いがあった。
明日って突然だなぁ。
「プールって···翔くんと2人で行くんじゃなかったの?」
海で仲良く指きりしてたじゃん。
みんなが見てる前でさ。
「え?なんで?」
ニノはまたキョトンとしてる。
あの指きりは2人で行こうって約束じゃなかったの?
「親からレジャープールの招待券もらったんだ。貰い物らしいんだけど。ペアチケット2枚」
「だから一緒に行こ?」
翔くんがカバンからチケットを出して見せてくれた。
ああ、なるほど。でもチケット4人分···
「いいけど···雅紀は?」
雅紀が一番こういうの好きそうなのに。
仲間外れは可哀想じゃない?
「誘ったんだけどね、部活とバイトでしばらく休みがないみたい」
「チケットの期限もあるしね」
よく見たら期限は7月いっぱい。
ああ、だから明日なのか。
「すごく行きたそうだったけど、今回は諦めるって。楽しんできてって言ってたよ」
「チケットも足りなかったしちょうど良かったよね」
「ニノ···雅紀が泣くよ?」
テヘっと舌を出して笑う姿は可愛いけど、言ってることひどいからね。
雅紀には相変わらずなんだから。
「雅紀とはまた今度遊べばいーよ!潤くんも行けるでしょ?」
「明日なら大丈夫」
「やった!潤くんフランスいつからだっけ?」
「来週の月曜日」
「もうすぐだねぇ」
「潤も大丈夫なら良かった!じゃあ···」
翔くんがサクサクと待ち合わせ時間や場所を決めてくれる。
海に行ったばっかなのに。
なんだか今年はアクティブだな。