第6章 終業式
「潤、夏休み暇なの?」
女の子との約束いっぱいなんじゃないの?
「あー、親父のところに2週間くらい行くけど、あとは暇だな」
「お父さん?」
「単身赴任してんの、フランス」
「へー!」
それは初耳だった。
「フランスかぁ···いいなぁ」
「智が海外に興味示すなんて珍しいね」
「行ってみたい美術館がたくさんあるんだよ」
「なるほど」
話が流れちゃったけど。
潤が夏休み暇だって。
そういえば最近前ほど女の子と遊んでないみたいだった。
「ニノは?」
「俺は特に予定ないし、ずっと暇」
「カズ暇なの?」
翔くんの顔がパッと明るくなる。
「俺も家族旅行以外は予定ないんだ。良かったら一緒に夏休みの宿題やろうよ」
「うん!」
とたんにニノの目がキラキラした。
「宿題かよ!デートしろよ」
小声で潤が文句言ってるけど、2人には聞こえてないよ。
「ふふっ、あの2人っぽいじゃん」
「別にどうだっていいんだけどさ」
勉強以外にもすることあんだろって、まだぶちぶち言ってる。
普通のデートさせてあげたいのかな?
「予定合う日はみんなで遊ぼうよ!」
雅紀が海だプールだバーベキューだって騒ぎだした。
「雅紀が一番忙しそうじゃん」
「時間作るからさ!ね!」
遊ぼうよーと騒ぐ雅紀にみんなで笑って。
「花火大会も行こうね」
「約束したもんね」
ニノと翔くんもニコニコしてる。
みんなの笑顔を見てたら、なんか俺も楽しみになってきた。