第5章 誕生祝い to Nino
風呂に入って寝る支度が整った頃、スマホがうるさく鳴り出した。
見るとグループLINEに今日の写真が次々送られてきている。
負けじと自分の撮ったものも送るが、そのやり取りもすぐ終わった。
落ち着いたところで、ゆっくりと写真を見返していく。
別行動してるときの3人の様子なんかも分かって面白いけど、どうしたって目がいくのはカズで。
写真の中のカズの笑顔に思わず見惚れる。
今日はいつも以上に可愛らしかったカズ。
服装とか髪型とか、そういう外見的なものももちろん可愛かったんだけど。
それだけじゃなくて、いつもより感情を素直に見せてくれていた気がした。
子どもみたいに目をキラキラさせて。
本当に楽しそうな嬉しそうな、そんな顔でずっと笑ってて。
自己満足で終わるかもしれなかった予定表も喜んでくれて、調べたことを楽しそうに聞いてくれて。
カズに喜んでほしくてやったことなのに俺の方が嬉しくなってしまった。
それにいつもより距離が近かったよな。
さりげなく手を繋いだり相合い傘したり出来たし、お揃いのスマホケース買ったりして···
「············」
いや、さりげないつもりだったけど。
思い返してみると多少不自然だったかもしれない。
俺、非日常な空間に浮かれてたのかな。
でもカズも嫌がってなかったと思う。
そういう対象として意識されてないってことなんだろうけど、不快な気持ちにさせてなければいいんだ。
こっそり恋人気分を味わわせてもらってたなんてカズには絶対言えないけど。
本当に夢みたいな時間だった。
カズにとっても今日が思い出に残る日になっていたらいいな。
カズ誕生日おめでとう
素敵な1年になりますように