第4章 日常
ーSsideー
中間試験が終わり、あっという間に通常授業に戻った。
返ってきた答案と順位結果を眺める。
順位はいつも通りだけど、点数が軒並み今までより高い。
これもカズのおかげだよな。
カズに良いところ見せたくて、今までより勉強に気合いが入ったもんな。
みんなはどうだったかな?
試験期間中も毎日5人で勉強してた。
いつもより早く帰れるから、翌日の教科をみっちり叩き込んだつもりだけど。
「翔ちゃーん」
休み時間になるとすぐカズがやって来た。
「見て見て!」
嬉しそうに見せてくれた順位結果は総合2位。
「こんなに良かったの初めて!翔ちゃんのおかげだよ!ありがとう」
可愛い笑顔が眩しい。
「違うよ、カズが頑張ったからだよ」
一緒に来てた潤と智くんが横から覗き込んで驚く。
「おわっ!ニノ2位か~!スゲーじゃん」
「本当だ!ニノすごーい!」
2人に褒められたカズは、ちょっと恥ずかしそうに照れている。
「翔は?ま、聞くまでもないだろうけど」
潤に振られたから、結果を見せる。
「1位!やっぱり翔ちゃんすごいね!」
「さすがだね~」
カズと智くんがキラキラした目を向けてくれて、素直な賛辞にちょっと照れ臭くなる。
「みんなーっ」
そこへ雅紀が飛び込んできた。
「雅紀うるさいよ」
カズが文句を言ったが、雅紀は気にしない。
「見て見て見てー!!」
その手には順位結果表。
潤と智くんとせーのって感じで一斉に見せてくれた結果は、潤が10位以内で、智くんと雅紀は真ん中よりちょい上くらいか。
「本当にみんなのおかげ!ありがとう」
雅紀が深々と頭を下げる。
智くんも一緒に···なんか既視感が···
カズも潤もそう思ったのか、2人を見て微笑んでる。
あー、でも良かった!
みんなそれぞれ納得出来る結果だったみたいで俺もホッとした。
「頑張った結果だよ。楽しかったしさ、良かったら期末もまたみんなで勉強しよ」
そう提案してみたら、みんな笑顔で頷いてくれた。