第15章 和睦
「上がるか。」
『えっ、早いよ。』
「さっき言ったろ?我慢できねぇって。」
嫌がる一花を無理矢理抱き上げ浴室のドアを閉める。
一花を椅子へと座らせタオルを渡す。
「さっさと着替えてくれよ。」
『…分かった。』
それからはお互い反対方向を向いて、着替え始める。
パンツを履く時に嫌でも目に入る自分のモノ。
大きく反り返り、グロテスクで自分の欲望をそのまま表しているようだった。
バスケのことでも考えて収めようとするがどうしても収まらない。
あぁ、もう!一花が悪ぃんだ!
あんなに可愛いことするから!
『大我?大丈夫?』
「あ、あぁ。」
全然大丈夫じゃねぇ!!
人の気も知らないで、可愛い顔しやがって!
怒るに怒れねぇじゃねーか!
なんとか着替えを済ませ、必死に違うことを考えて頭を落ち着かせる。
羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹……、
…ダメだ。収まらねぇ。
仕方ねぇ、今日は諦めるか…。
『大我、できたよ。』
「おぉ、じゃあ行くか。」
悶々としたままベットへと向かい一花を降ろす。
俺も一花の隣に寝転び、いつも通り腕枕をしてやる。すると、いつもより嬉しそうに擦り寄ってくるから余計に落ち着かなくなった。
『大我。』
「…なんだ?」
突然声をかけられ、一瞬戸惑う。
一花の事、想像してたなんて口が裂けても言えねぇ…。
『苦しいの?』
「えっ?」
スルリとペニスを撫でられ、思わず腰が引ける。
「っ…!」
そのまま撫で続けている手を掴み、一花に注意する。
「あんまこういうことすんなって言っただろ。」
『でも、大我に楽になって欲しくて…!』
「とにかくやめとけっ、て…。」
『私、大我のこと気持ち良くしたい。最後まではできないけど、やれることは全部やってあげたいの…!…ダメ?』
少し潤んだ目で見つめられる。
こいつ、わざとやってんのか…?
そう思わざるを得ないほど可愛くて、色気があって。
断れるはずなかった。