第4章 目覚め
ーーーパチっ。
カーテンから漏れた光で、目を覚ました。
俺の腕の中には、仰向けで寝ている一花。
少し開いた口から聞こえる息。
俺の腕に伝わる体温。
彼女が生きている。
それが俺を安心させる。
身体が不自由な一花の代わりに、いつも俺が彼女の方を向いて寝る。
右腕に感じる少しの痛みが、俺と一花が共に生きている証のようで実は嬉しかったりする。
『んぅー…。』
どんな夢を見ているのか、しかめっ面の一花。
少しでも和らげてあげたくて、彼女の眉間に優しくキスをした。
頬にも、鼻にも、おでこにもキスをした。
『んっ。』
少し違和感を感じたのか、小さく唸る一花。
やがて、その可愛らしい瞳を開き、鈴のような優しい声で俺の名前を呼んだ。
『大我、おはよう。』
まだ完全に覚醒しきっていないようで、のんびりと俺を呼ぶ。
そんな彼女の口に軽くキスを落とす。
「ああ、おはよう。調子はどうだ?」
ありきたりな返事をする俺。
『うん大丈夫。大我が朝から元気くれたから。』
どうやらバレてたみたいだ。
「知ってたのかよ。」
『何となくだよ。』
花が咲くように笑う一花。