第10章 就寝
寝室に着き一花をベットに優しく寝かせる。
一花は腰が動かないため、必然的に仰向けに寝ることになった。
一花の頭の下に自分の右腕を入れ寝転ぶ。
自分で提案しておきながら、中々の距離感に少し戸惑っている自分がいた。
『大我…、それ辛くない?』
一花は俺の右腕に触れ、俺を見ながら尋ねる。
「大丈夫だ、そんなにヤワじゃねーよ。」
俺がそう言うと安心したように首を元の位置に戻す一花。
『大我…、なんだかもう眠くなってきちゃった…。』
言葉通り、ゆっくりと瞼が降りていっている。
それでも必死に抗おうと目を開ける姿はとても可愛いかった。
『ねぇ、大我。…キスして?』
お望みどおり短く唇を触れさせる。
『んっ。』
俺は一花の頭をゆっくりと撫でた。
「ゆっくり休めよ。」
『うん…、たい、が…。』
どうやら限界みたいだ。
その可愛らしい瞳を閉じ、寝息をたて始めた。
スースーと聞こえる呼吸に安心する。
ー俺無しで生きられなくなればいい。
また、その考えが頭をよぎり慌てて振り払う。
しかし、静かにその感覚は俺の中に根付いていった。
俺はそれに気づかないフリをして一花のおでこにキスを落とす。
安心しきったように寝ている一花の横で、俺も静かに目を閉じた。