第7章 二人暮らし
あれから一週間はあっという間に経ち、いよいよ三浦の退院の日がやってきた。
「いよいよだね…。」
『はい、本当にお世話になりました。』
「これからは、火神君と一緒に頑張るんだよ。」
『はい。』
「火神君も、一花ちゃんをよろしく頼んだよ。」
「…うす。」
先生のその言葉に重い責任を感じる。
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3日前、病院に行った時三浦と暮らしていく上での注意事項を聞かされた。
まず、歩けないから車椅子でのアシストが必ず必要になる。
そして、自分の意思で排泄が出来なくなる為、所謂オムツを付けての生活をしなければいけない。
先生はそのことについてとても心配していた。
仮にも愛し合っている者同士、彼氏である俺にそんな姿を見せる事に抵抗感を感じるのはまず間違いない。
だから、まず俺がその事について一番に理解していて欲しいと。
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「じゃあ、行くか。」
『うん。先生、本当にありがとうございました。』
「あぁ、気をつけて。元気で頑張るんだよ。」
『はい。』
とりあえず俺たちは三浦の家に向かった。
「お邪魔します…。」
『どうぞ、とっても狭い部屋だけど。』
確かに、一人暮らしって感じの部屋だ。
けど好きな女の部屋だし、すげぇ緊張する…。
三浦はというと、一週間の内に車椅子がかなり上達したのか部屋の中を動き回って今日泊まる分の準備をしている。
『…よしっ、これで全部。火神君、準備終わったよ?』
「お、おう。じゃあ行くか。」
俺がそう言うと、三浦は少し俯きこう言った。
『本当にいいの…?』
何を今更。正直、俺はこいつとずっと一緒に入れるっつうんだから嬉しいくらいだ。
「なに遠慮してんだよ。俺はお前と居れること、すげぇ嬉しいぞ。」
すると三浦は白い頬を真っ赤に染め上げた。
『わ、私も、嬉しいよ?』
「ふっ。なら、いいじゃねぇか。行くぞ。」
こうして俺と一花の二人暮らしが始まった。