第6章 告白
「なぁ、黒子。」
「どうしたんですか、火神君?」
俺は黒子に三浦が目覚めたことを報告した。
「本当ですか!?」
「おう。だからよ、今日一緒に見舞いに来ねぇか?」
「えぇ。是非行かせてください。」
よかった。これで三浦も喜ぶだろう。
「クスッ…。火神君、よかったですね。」
突然、黒子がそんな事を言い出した。
「何がだよ?」
「三浦さんが目覚めて。今までの火神君はどこか寂しそうでしたから。」
「そうか?」
やっぱり黒子はよく見てるな。
「火神君。」
「何だ?」
「バスケの事、三浦さんに話しましたか?」
…いきなり嫌なとこ突いてきやがる。
今一番触れられたくねぇ事なのに。
「…いや、まだだ。」
「なら、今日話してください。」
また突拍子もないことを言う黒子。
「なんでだよ!」
「火神君は普段ズバズバ物を言うくせに、こういう時だけウジウジするので面倒くさいです。」
「おい。」
「だから、早く話してください。今日は話すまで病室から出しません。」
「…分かったよ!話せばいいんだろ!」
「その勢いです、火神君。」
「うるせー。」
「ついでと言っては何ですが…。」
何だ?まだあるのか?
「火神君の気持ちも伝えたらどうですか?」
…!!まさか、気付かれてたなんて。
でも、伝えたところでどうする?
俺は三浦にとって、あいつを事故に遭わせた張本人だぞ。
そんな奴から告白されたところで三浦は困るだけじゃないのか?
「…はぁー。…火神君、さっきも言いましたが、火神君がウジウジしてると面倒くさいです。」
「何だと…!!こっちは真剣に!」
「三浦さんは、そんな事気にしない人だと思います。何よりも人の気持ちを大切にする方です。それは、火神君が一番よく分かっているでしょう?」
「…だけど。」
「とにかく、今日は伝えたいことを全て洗いざらい話してください。わかりましたね?」
「…分かったよ。」
三浦を失いそうになってから気づいたこの気持ち。
こんなに早く伝える日が来るなんて…。