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Platonic【火神大我】

第5章 過去





俺は三浦と並んで帰っていた。

偶然にも方向が同じらしく、これなら遠回りしなくて済みそうだ。

二人でどうでもいい話をしながら帰り道を歩いていた。


『火神君はバスケ部のエースなんでしょ?すごいよね、1年の時から有名だよ?』

「俺の事知ってたのかよ?」

『当たり前だよ!誠凛を全国優勝に導いたエース様だもん!私たちの学年で知らない人の方が少ないよ!』

思わず三浦の熱にたじろいだ。

「そ、そうか。何かありがとな?」

『いーえ。それに、実は優しくてイケメンだって女の子の間で結構話題だよ?』

「全然嬉しくねー…。」

『そうなの?なんだか珍しいね。』

「俺にはバスケがあるからな。」

そう言うと三浦は目を細め、『そっか。』と呟いた。


そう、俺にはいまバスケしか考えられない。

また青峰達と戦う時が来たんだ。


そんな事を考えながら、青信号を渡っていた。




すると、


『危ない!!』


そんな声が聞こえてきて、それと同時に俺の体は突き飛ばされていた。



ドスッーーーー




鈍く、嫌な音が耳につく。

一瞬の戸惑いの後、振り向けば血だらけで倒れている三浦がいた。


「…三浦?」

返事がない。


何が起こったのか分からなかった。

けど周りから聞こえるザワザワした声でようやく状況を呑むことができた。

「三浦…、三浦!!!」


俺は三浦の名前を呼び続けた。

だけど三浦が反応を見せることは無かった。



いつのまにか、救急車が来て三浦を中へと運んで行った。

俺も同乗を求められ急いで乗った。



俺と一花が愛し合うきっかけは最悪なものだった。



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