第6章 先生のお家 R18
玄関はドラマに出てきそう。
高級ホテルみたいだ。
明るい照明と、綺麗な黒のシックな下駄箱。靴が玄関に一足もない。靴を出しっぱなしの我が家とは違う。先生の普段使う机と同じ。片付かれてる。
「早く上がれよ」と先生は先にリビングへ行ってしまう。
「お邪魔します…」
ブーツのチャックを下ろしたが、どうも屈む姿勢が恥ずかしい。短いスカートなのに転けたら悲惨すぎる。慎重に靴を脱いで端に置いた。
リビングの中に入れば、凄かった。語彙力がないのは十分承知の上なのだが、とにかく凄かった。
天井は照明で明るい。窓からは夜景が綺麗に見える。ソファやテレビは大きくて電気屋さんに置いているように壁一面。スピーカーが隅に置かれてる。
洗面台で手を洗って戻ったとき、
気づいてしまった。
「先生!!」
わたしは驚愕して、その場所に駆け寄る。
パソコン。パソコンがある。テレビ並みにデカい液晶モニター。なんで2台あるの!机も椅子も黒でめちゃくちゃカッコいい。
「どうしたんですか!これ、最新機種じゃないですか。ズルいですよ!」
釘付けだ。学校のデザインのパソコンなんてクソだ。動きが遅いし反応は悪い。しかも液晶は暗い。やる気が上がるわけない。
「せんせい!!触っても良いですか?」
手が震える。ああ、マウスも超使いやすい。キーボードが素晴らしい。欲しい。
「もう触ってんじゃねーか。いいぞ、適当に使っても。ただしデータは消すなよ」
「はい!わかりました」
「俺、風呂に入ってくるわ。あとから入れよ?」
「了解です!わかりました!」
と返事は良いが、先生の方を見ていない。パソコンに夢中だ。目がキラキラ輝く。
ああ、デザインのアプリがすべて入っている。ペンもある。絵が描き放題とか羨ましい。こんな生活最高だろうな。描き心地が良い。