第5章 奴隷として
田中先生の顔が近くにある。本当に綺麗な肌。モデルみたい。
「市川、お前からキスしろよ。出来るだろ?」
膝の上に座って間近にいる先生が大変なことを言い出す。
「えぇ……!? そんなの出来ません!むりむりむり!」
ってかだいたい先生の膝の上に座ってる事態、無理無理な案件なのに、さらにキス!?むりーー!
「照れんなよ、な?」
両腰に手を添える田中先生。凄く近い。頬が当たる。
「してくれたら俺、すっごく嬉しいんだけどなー」
低いボイスで耳元で囁く先生が悪魔に思える。声が笑ってるし。ひどい。
「……もぅ…先生のバカ、バカ」
片方の手を田中先生の背中に回して、目を閉じて、顔を近づけた。
バクバク心拍が鳴り響く。
薄目を開けて
ふわりと触れる優しいキスをした。
「こ、これで良い……ですか?もぅ、先生、わたし恥ずかしいです……」
うつむいた。わたしはこんな風にキスをした経験なんてない。
「……ダメだ」
先生の顔が傾いたと思った瞬間、濃厚なキスが始まった。