第1章 12月7日
"12月10日までに課題を終わらせます。
出来なければ、田中先生の召使いとなり、卒業式までひたすら、田中先生の為に働きます。そして奴隷のように服従します。
そして、この事は一切他言しない事を誓います。
漏らせば、留年を受け入れます"
「ここにサインすれば、課題を待ってやるよ。書かないなら、留年だからな。市川ちゃん」
ポンポンと肩を叩いてボールペンを持たせる田中先生を、わたしは口を開けて目をひん剥いて、色々訴えるように見た。
冗談ですよね? いや、俺は有言実行だから、書かねーなら留年だから。 なんて無駄なやり取りした後、もう一度、書かれた紙を見た。
いやいやいや、おかしいおかしい!10日までとか!無理だから!3作品もあるんだよ⁈ いや、3作品もやらなかった私もバカだけどさ!
なんで友よ、親友よ、教えてくれないのよ!! あ、そういやここ数ヶ月、授業終わったら、速攻で帰っていたから、あんまり一緒に帰ってないから交流が浅くなっていた。
いや、いやいやいやいやぁぁぁ!!
召使い!?……奴隷!?この先生の召使いだけは、危険だ。決してなってはいけない!ダメなの!
スパルタな課題もさることながら、田中先生はいつも帰るのが一番最後。つまりずっと仕事している。仕事しかしてない男。仕事一筋7年目の男。
そんな男の召使いなんかになったら、靴屋のバイトはどーーなる。いや次のシフトは提出してないからまだ間に合うけど、いや違う。辞めたくない!あの定価の三割引で買える、お得なバイトはどーーなるのよーーー!