第2章 12月7日 夜
「ま、待ってください!痛い系とかグロい系とか、無理無理無理!!無理です無理です!」
ぶんぶん横に振って、先生に拒否を示した。無理無理無理!!
「そんな事しないって。 優しいからな。俺の課題を忘れて、バイトなんかに構ったお前が悪い。罰は必要だろ?」
市川ちゃん。と言って
先生の長い指の腹が、ゆっくりと頬から唇を触れてゆく。
田中先生は口だけ笑う。
だけど眼差しは真剣で、本気の瞳。
明らかに何か よからぬことを
目論んでいるように見えた。
恐怖のあまり戦慄していた
わたしはすぐさま先生から離れる。
そして 即シートベルトを自分で締めた。
「……か、帰ります。か、か、課題しなきゃ……」
顔面蒼白で呟く。頭には友人の言葉が蘇っていた。
"容赦無い"
「そうか……市川、適当にやれば…………許さねーからな」
エンジンをかける田中先生は、静かに言った。