第2章 12月7日 夜
「それと これとは話が違う」
きっぱりと断言する。
「!?……何で!?」
抱きついていた身体をゆっくり離した田中先生は、不敵に口端を上げる。
「皆、知らないと思うけど、じつは、俺ひん曲がった性格なんだよ。好きな子を奴隷とか召使いに出来るとか、最高だよな。市川に、何をしてもらおうか、今考えてる最中だ」
一個は決めたぜ?、と
欲情に濁らせた瞳で笑う。
その姿を見た途端に、さっきとは180度反転させ、恐怖で戦慄した顔に わたしは変えてゆく。
「いやいやいや、おかしいおかしいです!! ひん曲がり過ぎです!!ーーーて、あれ? もう一個決まってる?」
それは何をですか? と聞く勇気すらない。狼狽して慌てふためいた。
パシリや補佐的な事だと思ってたけど……
違うの!?
今、同じ言葉を聞いて
そっち系なんだと、初めて理解した。