第1章 12月7日
「…………じゃあ、今試してみるか?」
「……? 何を試すん……!?……」
ーーですか?と最後まで言えずに、頭を引き寄せられ、唇を重ねていた。
「田中、先生……!?」
「喋るな」
離そうとした身体を、引き寄せられ、抱きしめられながら、キスをされている。田中先生の腕の中にすっぽりと収まってしまって、がっしりとホールドされて、逃げだす事が出来ない。
田中 先生と、キスしてる。
ウソ……ダメ、ダメ、
頭がおかしくなっちゃう……
「市川、口、開けて」
「……、あっ……」
先生の舌が入ってくる……。
こんなキスした事ないよ、わたし。
分からない。どうしたらいいの?
キスをしてる先生……って、
色っぽい、わたしを見て先生、目が笑ってる……、
身体が熱い、先生の身体も、なんだか体温が高い気がする……。
「市川、可愛い……可愛いな……」
「せ、先生ぇ……ぁん」
甘い、唾液が甘い……。トロけちゃう、先生…のキスって……あまいんだ。知らなかった……
息も出来ないぐらい深いキスをされて、唾液を飲み込んでしまう。こんな喰べられちゃうようなキス。した事ないよ、先生……。
こんな事しないで、わたし……好きになっちゃう
どうしよう、だけど嬉しい……、
もう…もう、わたし…我慢出来ない……
舌が絡まり合う。
先生、触って欲しい。
もっと背中だけじゃなくて、
もっと、もっと、もっと……
色んな場所触って欲しい。
もっと、もっと欲しい………
田中先生のキスに朦朧として、
受け入れていると、急に身体を引き離された。
「…………なんて顔してんだ、バカ」
「っ!?……ぁ、」
息荒い呼吸でわたしが田中先生を見ていれば、
肩を震わせて笑った。
え、何、今の……揶揄っただけ?酷い!
「……ぁ……田中先生……」
わたしは、顔に熱が集中して真っ赤だ。
恥ずかしい、恥ずかしい!
ああ、先生のバカバカ!
「……、っ…」
もう、酷い!
ぱくぱく口を開けて、醜態をさらけ出していた。