第10章 〜九十九を祀る社の巫女〜
確かにその基準で見れば、自分達が十分悪人として判断されても可笑しくない。この時になってコナン達は漸く痛感する
───今回、自分達は実に浅はかな過ちを犯した。
彼女達の神職としての強い信念、政府に仕える立場と誇り、慈悲を乞う人間に向ける、優しい心と導きの手。
自分達はそれらを都合良く利用しようとしたに過ぎなかった。
協力じゃなくて強要させるために、仲良くするんじゃなくて手駒にするために。
麻衣達は決して詮索してはならない存在だったというのに───
とは言え、何故か懲りる事なく疑問を抱き続け、謎が膨らんでいくばかりの結末であった。最後は呆然自失の状態のまま、清光達が言いたい事を全て言い切り、麻衣を追って社に向かう背中を見送った。二人が漸く動けたのは、何十分と経過した後のことである。尋常じゃない恐怖の断片を経験をした彼ら。今後は、出来れば二度と遭いたくない、とコナンと沖矢が二人してそう思った
けれど深く繋がれてしまった縁の糸は、今後も彼らを遭遇させていく事になる