第8章 〜探偵達のそれぞれの思い〜
「これで、君たちの不満も怒りも晴れたか?」
「うん!ありがとう、世良さん!」
俯いたままの園子が頷き、嬉しそうな笑顔で礼を言った蘭。世良はひと段落ついた事で安堵したのか、眼前のオレンジジュースを一口飲んだ。そして、「しっかし…」と友人二人に対して羨ましげな視線を送る
「揉めるのは御免だけど、その人達とは僕も会いたかったかなぁ…。話を聞いてたら興味が湧いたよ、いつか会ってみたいや」
「そ、そうだね…」
あはは、と蘭が苦笑い混じりに同意した。蘭達には気まずさしか無いのだが、もし許されるなら件の女性と四人で気兼ねなく話がしたい。偶然的な出会いが、また、もう一度起こってくれれば
そんな彼女らの純粋な願いは、奇しくも、麻衣達との縁を呼び寄せる事になる───