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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第6章 〜闇夜の邂逅に白き魔術師、驚き好きの鶴も添えて〜 前編



「成る程…」


薄っすらと理解できる感覚故に、頷いた安室は納得がいった。オカルト染みた理由ではなく、あくまでも本能的な見解らしい。前者の場合は内容が飛躍するし、超能力者を自ら名乗る胡散臭いものが殆どなのだ。その点、麻衣の発言した事は、正しい証拠も現実味もある。

『勘』とは、誰もが持ち得るものであり、本能で危機を脱する力。安室も含めて、世間では稀に直感が鋭い人間がいる。きっと、麻衣は特にその才が顕著で、人間の内面に敏感なんだろう。嘘を吐いてる様子もないし、刑事達に偽物もいない。喋っている間に警部と小五郎も抓り合いを始めている。肝心な『何か』を誤魔化されたが、安室も不謹慎だと自重した


「……それじゃあ、貴方方の主張と対処法から、この場にいる全員が本物になりますね」

「けれど、そうなるとキッドは何処に潜んでるんでしょう?隠し場所の通路は此処のみなのです…。だから、入るには我々を散らすのが最善であり、別場所にいる警察に化けるのが無難。仮に我が家の関係者を知って化けてもリスクが高くて論外です。なのに、時間が五分をきった今でも目立った動きがありません」

「たしかに。何か此方の意表をつくような、恐ろしい手口でも見つけたのでしょうか…」


うーん。麻衣と安室は二人揃って、黙考の時間に入ってしまった。周囲も自ずと彼らに注目し、小五郎と中森警部も抓り合いを中断した。全員の赤く腫れた頬が痛々しいが、本人達は気に留めていない。中でも、頭上で手を組む小五郎なんかは、呆れ顔でやれやれと言った


「検討つかねぇこと考えたって、しょうがねぇと思うぞー」

「先生…」

「今回は何も盗まれねぇんだ。普段のキッドと勝手が違う。先読みしようと必死になると、逆に足元を掬われるぞ」

「!!」

「別に無策で行けとは言わねぇよ。でも、土壇場の勢いに身を任せるのも大事な事だと思うぜ」


台詞を聞いて目を見開く安室。自らの師匠のさり気ない助言だ。然し、頭脳派ではなく行動力に頼るのは、探偵というより警察に近く小五郎らしい言葉である。彼は、警察時代に射撃や武術で素晴らしい成績を出した実力者なのだ。弟子は少しだけ師匠を見直した。すると。


「おい、あんたに届け物がある」


そう言って、廊下の角の陰から伊達広光こと大倶利伽羅が現れ、麻衣に対して声をかけた
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